ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

そこの若いの! ゴルフやってみないか? ...5

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「試しに...」なんて、ちょっとでも思ってる人に対する超手抜き促成ゴルフ入門、いくらお手軽に経験したいと言ってもクラブでボールをある程度は打てなきゃラウンドは出来ない。
前にボールが飛ぶなり転がるなりするようになるまでは、最低限の地味な練習はしなくてはダメだ。

ただし練習するクラブは、ウッドはドライバー、アイアンは7番アイアン一本で良い。
もしラウンドするなら、それにサンドウェッジとパターがあれば良い。
実際に初心者のうちは(アベレージになってからもそうかも)、14本なんて数のクラブは絶対にいらない。
無理に増やしても、シャフトの短い4番ウッドと、5番アイアンと9番アイアンがあれば良い。
計7本、以前は良くあった「ハーフセット」だ。
実際、100を切るのにはハーフセットを使った方が絶対に速いと思う。

...それはまたあとでの事に置いといて、ウッドを振り回してみたあとはアイアンの7番を打ってみる。
ゴルフをやった事の無い人間にとっては、ウッドはまだ使い方の想像がつく形状をしているがアイアンの形は異様なものだろう。
棒切れの先に横に打つ部分がつている...今はテレビニュースなどでこれを使っているプロゴルファーなんかを見た事があるだろうから、その使い方は知っているだろうけど...全くの未経験者にとってはまるで謎の道具だろう。
これこそ、立っている人間が地面に落ちているボールを引っ叩く為に考え出した、ゴルフ以外では全く役に立たない道具だ。

そのウッドとアイアンの形と使い方を、イラストにしてみた。
異論は多々あるだろうが、ウッドは大きなハンマーや餅つきの杵の様に考えてみれば良い。
長い棒の端っこに打つ部分がついているが、これを腕力で振り回してボールを打とうとしても絶対に上手く行かない。
これを使うコツは、ヘッドの重さを利用する...ちょうど大きなハンマーや杵を使った経験の無い人が使おうとすると、持ち上げたハンマーや杵を腕の力で力任せに振り下ろそうとする。
その結果、ハンマーや杵は叩きたかった場所を大きくそれてとんでもない場所に行く事になる。
おまけに腕は疲れるし腰は痛くなるし手は痺れるし...
そういう道具を使い慣れた人の動きを見ると、持ち上げる時には力を入れるが、振りかぶったあとは頭の部分が勝手に落ちて来るのを待って、当たる瞬間に「ギュッ」と力を入れている様に見える。
何回繰り返してもリズムが良く正確だし、疲れる様な様子は見えない。
ゴルフのウッドを使うときもこの要領だ...腕で振り回さず、上げたヘッドが落ちて来るのを待つ様なタイミングで、力を入れるのはインパクトの瞬間だけ(腕の力は落ちて行くヘッドの進路を誘導する事に使うだけで良い)。
上から下に振り下ろすのと横に叩くのとの違いがあるから同じには見えないが、横に振るのは下半身の動きが違うくらいだと思った方がスイングは易しい。

アイアンは厄介だ...あんな形のものを他のイメージに例えるのは難しい。
しかし、使用方法はイラストの様な大きなちり取りでボールを打つ事を想像してみれば良いだろう。
ゴミ(ボール)を上手く打つには、上からちり取りの底面(アイアンのフェース)でボールを叩かなくてはならない。
横や下からでは底面にボールは当たらない。
使う目的は「地面に転がっているボールを空中に飛ばしたい」というものだけど、「空に上げる為には地面に向けて叩き込まなくてはいけない」のだ。
もし、これからゴルフをやる事があるなら「ゴルフの身体の動きというものは、人間の本能に逆らうものが正解な事が多い」という事を覚えておこう。

アイアンでボールを打つという事は、基本的にボールにアイアンのフェースを上からぶつける事なのだ。
絶対に奇麗なフィニッシュをとろうとか、奇麗なフォローをとろうとか考えちゃいけない。
上からボールにフェースをぶつける事が目的で、それ終わり...あとの形は成り行きであって、打ったあとの形の為にスイングなんかしちゃいけない。

格好は、ちゃんとアイアンのフェースで上からボールを打てる様になったあと、自分の趣味で考えりゃ良い。
ウッドに関しても本当は打ったら終わりなんだけど、シャフトが長い為に打って終わりと考えると軌道が安定しなかったり減速してしまったりするので、ティーアップしている場合は「止めよう」とはせずに成り行きで振り抜く事。
アイアンは基本地面に叩き込む事になるので、打った後の事は考えない...手が痛くない程度に芝を掘れば良い。

ウッドは少し慣れると手が地面より高く上がるものだけど、長さと遠心力ので大きくなる分にはそれで好きな様に打てば良い。
アイアンは絶対に手が地面と平行より上に上がらない様に振る...それ以上上げるのはスイングが複雑になりミスが多くなるだけ(これもヘッドの重さと遠心力で平行より行き過ぎてしまうのはしょうがないが)。

7番では最初は低くティーアップして、小さく振って転がしから始めて、だんだん振り幅を大きくして行く...ティーアップしていても、上から叩くのは忘れずに。
ある程度フェースに当たる様になったら、マットに置いて上からたたき潰す...この時、先にマットに当たる音がしたらダメ。
まずボールにフェースが当たって、その後マットに当たる様にする。
ただし、強くマットにクラブをぶつけすぎると手や肘を怪我をするので、そこは程々に。

ラウンドする為には、ドライバーがとんでもなく右や左に行かなくなる事と、7番が100ヤード以上転がったり飛んだりする様になる事が最低限必要。
これがそれなりに前に飛ぶ様になったら、7本ぐらいのクラブ(パター含む)と靴やボールやティー、マーカー、グリーンフォークなどの小物が必要になり、それなりの服装と最低限のルールやマナーは知っておく必要がある...こう考えると、「ゴルフをやってみるか」というのは本当に面倒な事だよなあ。

空いている平日に、一緒にゴルフを始めた仲間と廻る、なんてのがコースデビューになるんだろうか...本当なら経験者(出来ればベテラン)と一緒に廻る事が一番良いんだけど。
そういう人がいない若者には、ゴルフは本当に敷居が高い。

もし仲間がいなければ、練習場などで開催されている「初心者教室」に参加するのが結局一番近道で楽だと思う。
料金はそんなに高くないはずだし、コースデビューするにも一人ではまず廻れないんだし、ここでゴルフ仲間に会える可能性は高い。