ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ボールをラフや林に打ち込むからこそ、ゴルフは面白い

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「ボールをラフや林に打ち込むからこそ、ゴルフは面白い」...ウォルター・ヘーゲン。

この言葉には続きがある。
曰く「いつもまっすぐ飛んで行ったのでは、味も素っ気も無い」!

いかにも「ゴルフと酒と女」に、豪快に生きた「ザ・ヘイグ」...ウォルター・ヘーゲンらしい言葉じゃないか?
それで「嘆くな、焦るな、我々がここにいる時間なんて短いものなんだ。せめて、傍らに咲いている花の香りを楽しみたまえ」なんて言っているんだから...
マッチプレーにめっぽう強く、プロゴルファーの立場を改善し、数々の記録を残したこの名手は、ボビー・ジョーンズとは真逆の空に光る粋で洒落た巨星だ。

ま、こんな言葉を今更書く私めは、半分以上悔し紛れの言い訳に使うんだけどね。


いやあ、ゴルフのボールって言うのは本当に持ち主の言う事を聞かずによく曲がる。
それも、行って欲しくない方に曲がるし、大事な時には余計に大きく曲がる。
自分の場合なんて、2打目をフェアウェイから打つなんて事はラウンド中に片手の数も無いのが普通。
結局一度もフェアウェイを使わなかった、なんて時だって珍しくない。
大概セカンドは林の中の木の間とか、根っこの上だとか、枝の下だとか...
当然2打目は、ロングアイアンで枝の下を低く打って通す、ウェッジで木を越える、逆打ちでフェアウェイに出す、超フックやスライスをかけて木の間を通すなんて、凄く楽しい事になる。
失敗しても当たり前だし、上手く行けば同伴競技者の度肝を抜いたり呆れられたり...あんまり賞賛はされないけれど、この自己満足と自己陶酔は捨てたもんじゃない。
(というより、自分のゴルフの生き甲斐になっているかも...笑)

しかし、中にはボールが曲がったというだけで不愉快そうな顔になるゴルファーもいる。
半端に上手いヤツに多いんだけど、ボールが曲がって林に入ったとたんに顔を歪ませて怒ったり、同伴競技者に聞こえるくらいの声で罵詈雑言を吐いたりして、その不愉快さをあからさまにする。
この「不愉快だ!」って気分は、同伴競技者に伝染するから始末が悪い...楽しくやっていた人にまで気まずい思いが押し寄せて、せっかくのその人の「ゴルフの一日」を台無しにしてしまう。
自分がそこに打っただけなのになにか違うものの所為にしたくてしょうがなくなる...これは私めも十分自覚する事の多い悪癖なんだけど...「それを言っちゃあおしめえよ」ってな、フーテンの寅さんの言葉を噛み締めなきゃね。

キング・ヘーゲンまで言っているんだ...「林に打ち込むからこそ、ゴルフは面白い」。
曲がる事、林に入る事は「ゴルフのうち」なんだ。
金と生活がかかったプロゴルファーのヘーゲンが言っているのに、ただ「ゴルフを楽しむ」我々が林に入ったからって腹を立てるのは、ただの「身の程知らずの恥知らずの傲慢ヤロー」だってこと。

ゴルフボールってのは曲がるもの。
なぜかゴルフボールってのは林の中が好きなもの、って思っていれば良い。

...ちなみに私の使うボールは、どれも「絶対に」フェアウェイが嫌いらしい。
(私も、なぜか「里芋」だけが大嫌いなので文句は言えない)

ただね「林好き」のボールなら許せるんだけれど....
「なぜか俺のボールはOB好きで」とか「私のボールは泳ぐのが大好きなの」なんてのは...正直ちょっと困るよなあ。