ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

左手をしっかりというのは

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「左手をしっかりというのは、左手を強く握るのではなく、左脇を身体にぴったりつけておくという意味だ」...荒井規矩雄。

荒井規矩雄は、ツアー18勝・シニア2勝のプロゴルファー。
毎試合毎日違うハットをかぶってプレーした、洒落男。
腰を痛めなければ、もっと活躍したはずのプロゴルファーだった。

彼のこの言葉、役に立つ。
なぜかと言えば、左手のグリップに関しては「しっかり握る」派と「出来るだけゆるく握る」派が分かれていて、どれが正しいかは個人差があって一概に言えない。
何より、その「しっかり」も「ゆるゆる」も数値に置き換えられる様なものでは無く、それぞれの感覚を表した言葉であり、Aという人の「しっかり」はBという人の「ゆるゆる」という場合だってある。

問題は「手」というものが人間に取って非常に敏感な器官なので、時間によって感情によって無限にその力と感覚が変化してしまう事。
朝の「ゆるゆる」は夕方の「しっかり」と同じくらいかもしれないし、恐怖を感じたときの「ゆるゆる」は安心した時の「しっかり」より強いかもしれない。
だから実際のラウンドで自分は「ゆるゆる」にグリップしてプレーしていると思っても、いつの間にか思っているよりずっと強く握ってプレーしていて、それがミスの原因になっているかもしれない。

ゴルフのプレー中のラッキー・アンラッキーに出会った時、ピンチやチャンスと感じた時、その喜怒哀楽の中で意識して同じようにグリップする事は非常に難しい。
しかし発想を変えて、この荒井規矩雄の言葉のように「しっかり」とは「左脇を身体にぴったりつける事」と意識してグリップすると左手のグリップの力は一定になりやすい。
意識を手のひらではなく「左脇」に集中すると、手のひらには感情の動きによる無意識の「力み」や「ゆるみ」が伝わり難くなる。
つまり「思わぬ」力が入ったり、思いがけず「力が緩んだ」なんて状況になり難い。

まあ、そこで敢えてグリップに意識を向けてしまえば、またグリップに余計な迷いが生まれてしまうけど、左脇の意識だけでグリップするなら今までよりずっと安定したグリップの力加減になる。
ここ一番でグリップに力が入り過ぎると感じている人、フェアウェイの真ん中からのチャンスでついグリップが緩んでしまう人、左右が怖いと腕が縮んでアドレスが狂っていると感じてしまう人...お試しあれ。

たかがグリップ、されどグリップ...力加減は難しい。
でも、これがナイスショットとミスショットを分けるポイントかもしれない。

荒井規矩雄の言葉、きっと役に立つ...と思う。