ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

フィニッシュはクラブヘッドが行きたい所

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「フィニッシュは、クラブヘッドが行きたい所に行かせればいい」・・・ラリー・ネルソン。

ラリー・ネルソンは、飛ばないが正確なショットを武器に、米ツアー10勝(うち3勝がメジャー)、海外で5勝、チャンピオンズツアーで19勝を挙げている名ゴルファー。
特にメジャーは、1983年全米オープン、1981年、1987年に全米プロで2勝している。

「飛ばないが正確」なゴルファーの言葉としては、意表をつく言葉だ。
普通はダウンやインパクトで力が入り過ぎたり、腕で打ちに行こうとしがちなゴルファーには、「フィニッシュをイメージして、そこに振って行け」というのが適切なアドバイス、とされているのだから。

ラリー・ネルソンは、プロゴルファーとしては決定的に遅い21歳からゴルフを始めて、どのようにして速く上手くなるかをいつも考えてスイングを作り上げていった。
そういう意味では、大人になってゴルフを始めた人の苦労や、迷いや、試行錯誤の数々を一番判っているプロゴルファーともいえる。

そんな男のこの言葉には、自分の体験から来た真実がある。
彼は、フィニッシュを考えて、そこに振って行こうとすると、「いろいろな部分で力が入り過ぎたり抜け過ぎたりしてしまって上手く行かなかった」と言う。
そこで、ダウンからインパクト、フォローにかけてボールを正しく捉えられたなら、フィニッシュはどこに収まってもいい、と考えるようになってやっとショットに正確さが備わって来たのだと。
つまりちゃんとインパクトすることが大事で、フィニッシュはどうでもいい、と考えたことで「彼は」スイングで無駄な力が抜けたのだ。

これが誰にも当てはまるかどうかは判らないが、少なくとも大人になってからゴルフを始めた人にとってや、プロやレッスンプロ(多くが子供時代からゴルフをやって来た人)の言うことを素直に聞いているのに「行き止まり」になっている多くの凡ゴルファーにとって、新しい希望の道を示す言葉かもしれない。
大人になってから始めたゴルフは、まず頭で理屈から理解しようとする。
しかし多くのプロ達は「子供の頃」からゴルフを始めている...つまり考えなくても身体が動くようになっている人が殆ど。
だから、大人のビギナーが「出来ない」事自体が実感出来ていない人が多いのだ。
まず自分が考えずに出来てしまう事を、あと付けで説明しようとする。
...出来ない事を体験していないのに、説明しようとする...そういう人の言葉は、正しくても(出来ない大人には)役にたたないことが多い。

「振り抜くことが大事」なのは判った上で、「インパクトがちゃんと出来ればフィニッシュなんてどうでもいい」と考えて練習してみると、意外に力のはいらない正確なスイングが出来る「かも」しれない。
我々大人は、身体が思う通りに動かないのが当たり前なんだから、まずやってみたいと思ったことをやってみる程「自由」であってもいいんじゃない?

もちろん自己責任だけど(笑)。