ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

ゴルフ小説挿絵ー5

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これは、サトルさん ( https://blog.golfdigest.co.jp/user/woodhouse/ )さんのゴルフ小説「サドンデス」の第9話の挿絵です。
サトルさんのブログを是非ごらんになって下さい。

さて、「ゴルフの本」についての考察、その2です。

何回か「レッスン書以外の」ということで書きましたが、レッスン書が「くだらない」とか、「役に立たない」とかは、全く思っていません。
私自身、ゴルフのイラストを描き始めた当初から数えると何十冊のレッスン書のイラストを描いたか判らないくらいです。
その中には、「これは凄いなあ」、とか、「これは絶対役に立つ」なんて感じた本がたくさんありました。
たとえば、金谷多一郎プロの理論を漫画で描いた、「ゴルフはスナップだ!」とか「シングルの法則」なんかは今見ても頭を柔らかくするのに役に立つと思いますし、最近描いた「頭の悪いゴルファー、良いゴルファー」なんかも、発想の転換に非常に役に立つと思います。
そんな中で特に注意したいのが、「ストップモーションの写真」を参考にするな、ということです。
レッスン書は、内容が「写真」のものと「イラスト」のものと2種類ありますが、ただ写真を載せて参考にしてある本は、上級者以外は誤解したり、間違ったりする可能性が非常に高くなります。
そこに乗せてあるプロの「ストップモーション」の形を自分でまねようとすると、とんでもないクセや間違いの入ったスイングになることが多い。
それはプロは「一連のスイングの流れの中で」その形になったわけで、その「形」を作ろうとしてスイングしているのではない、ということ。
でもアマチュアの殆どは、「その形」にしようとしてスイングする...結局その前と後のスイングの形はプロとは似ても似つかぬものになってしまう。
それを真面目なゴルファーは重ねて練習するものだから、いわゆる「練習して下手を固める」とか「直せない酷いクセ」のスイングになってしまうわけだ。
もちろん独学は、プロに習うより遙かに難しいものだけど、(プロに習うなんて事は)環境が許さないアマチュアゴルファーも沢山いるのは間違いない。
だから、そういう人にアドバイスすると、「写真」ではなく「丁寧なイラスト」を使ったレッスン書を選ぶことをお勧めする。
それは自分の仕事でもそうなのだが、「動くものを2次元に納める」過程で、ゴルフを知っているライターとイラストレーターは、「ストップモーションでも誤解が無くなるように、その前後の動きまで含めて、イラストに描こうとするから」だ。
だから、実際に写真でとった形とはあえて違う形にイラストを描いたりする。
もしそれだけを見て独習した場合、その方が「悪い」「やっちゃいけない」事をしなくて済むからだ。
...ただ最近は、そんな良心的な仕事をすることは、難しくなってきてはいるけれど。