ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

2月が始まり..

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結構寒い。
北風が冷たく、強く吹いている。

左手は包帯はしているが、ギブスはもう寝る時以外はしていない。
そのおかげで左手でのタイピングもなんとか出来る様になったが、何かの拍子に左手首にちょっと力が入ってしまうと「痛え!」と悲鳴が出るような激痛が走る。
相変わらず左手首を回すと痛みが出るので、このままでゴルフが出来る様になるのか不安になる。
まだクラブを握るだけで痛い....

しかし、こんな怪我をする事自体が自分が年をとった証拠なんだろうに、本人は相変わらず浮ついて落ち着かない。
年齢相応の悟った枯れたジジイになんて、とてもなれそうも無い。

例えば、ネットでpixivなんてイラストの投稿サイトを見たりすると、「そうか,こんな表現も面白そうだな」なんて感じて、「じゃあ自分も描いてみるか」なんて気になる....が、すぐに「ああ、オレにはもうそんな時間は残ってないんだな」なんて現実に気がついてしまう。
そう、気持ちはすぐに20代や30代のイラストレーターの様になってしまうのに、次の瞬間「そうか,昔の様に描いたものを見て評価してくれる年上の編集者なんてもう誰もいないんだ...みんな退職してしまったんだ」って事実に気がつく。
都内で電話一本で酒を誘えた色々な出版社の沢山の飲み仲間は、今はもう誰もいない。
風の様に速く走っていた親友は、鹿児島の病院で介護されている。
新橋や有楽町や御徒町にあった、行きつけの「一人でも居心地のいい居酒屋」は全部店や主人が変わって、もう一軒も無くなってしまった。
...あれから、もう随分な時間が流れてしまったんだ。

自分は...奇跡的にこの年まで40年以上仕事が切れずに、フリーのままで食べて来られた。
有名にも金持ちにもなれずに来たけれど、考えてみれば若い頃に「オレは金持ちにも有名にもならなくていいから、ずっと仕事を続けて行きたい」って願っていたんだっけ。
「オレの性格では、結婚は無理だろう」と思っていたのに、結婚出来た。
「息子よりも娘が欲しい」と思っていて、娘が二人出来た。
「子供が二十歳過ぎるまではなんとか食べて行きたい」と願った仕事は、子供が大人になってからも順調に続いてくれた。

その仕事も30半ばでゴルフ関係のイラストを描く様になって、ゴルフ自体の魅力にハマり、一生遊べる楽しみを自分のものにする事が出来た。

...考えてみれば、なにも文句は無えな。

この年まで、流れて来たのか、流されて来たのか...我が身の幸運を振り返ってみれば、自分がなれなかったものや手に入らなかったものを望んで嘆くのは、身の程知らずの大バカヤローだって事。
アホなオレは、それを常に自戒してなきゃいけないな。

さあ、とりあえず2月。
春までは、まず手を治すのに専念しよう。
あと何年どのくらい楽しめるか判らないが、そろそろ終わる準備もしながら、感謝しつつ流れて行きたい。