ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

さて...

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昨日の暑すぎる陽気を言い訳に、昨夜はちょっと飲み過ぎた木曜日。

ゴルフなんて言う、ちょっと贅沢で、ちょっと敷居が高くて、ちょっと食わず嫌いの人が多くて、体験すると殆どの人がハマってしまうと言う、野遊びのことを考える。

ある程度ゴルフができれば、今のゴルフ環境は一日中の球遊びと、昼飯と、風呂までついて、1万円で十分におつりが来る値段で遊べる(勿論「名門コース」や「高級コース」とかいうのは除く)。
...はっきり言って、今の時代に大の大人が丸一日遊んで・食って・風呂まで入ってなんてしたら、どんな遊びも1万円はかかる。
酒を飲みに行ったって、女性の居る所は論外だし、小料理屋でも摘みや酒に贅沢すれば簡単に1万円は越えるし、大衆居酒屋だってちょっと多く飲むとそのくらいは行ってしまう...勿論、ゴルフを遊ぶ時間より遥かに短い時間で。
近所の川で釣り、なんて事だったら安くつくけど、海や沢に入ればそれなりに金はかかる。
散歩くらいならもっと安くつくけど、ゴルフを遊んだ時程の興奮や感動や落胆や後悔などの「感情」の変化は体験出来ない。

が、ゴルフを知らない人がこれから始めるとしたら、これは大変だ。
まず道具を揃えなくてはならない。
これはゴルフというのがクラブや、靴や、ボールや、他の小物を合わせると、恐ろしく沢山の道具を使わなくてはならない特殊なゲームである、ということであり...プレー自体も、ボールを打つ技術の他に基本的なルールやマナー、コースや同伴競技者への気遣い、ゲームの進行への協力など、知っておかなくてはいけないことが沢山ある。
まあ、クラブや道具は中古で揃えれば安くなるし、ルールやマナーもその気になれば本やネットで自習は出来る。

手っ取り早いのは、練習場などでやってる初心者スクールに入るのが一番。
結局長い目で見ると、こうしたスクールでちゃんとしたレッスンプロの基本から教えてもらった人の方が、自己流で始めた人よりも遥かに進歩が速いし、上級者にまでいく人が多い.

始めたあとは、残念ながら世の常通り、「金と時間」をかけたものの方が上手くなれる。
それ以外の方法で上達しようとする人には、「金と時間」のある人間の数倍の努力と情熱が必要となる。
...もっとも、そうした大変な量の努力や情熱は、「ゴルフにハマった人達」にとってはそれ自体がゴルフの楽しみとなってしまうので、不利や損な時間とは言えないんだけれど。

そうしてある程度スコアを気にするようになると、自分のゴルフの行き先を考えた方がいいだろう。
つまり、自然や他のゴルファーとの戦いが中心となる「競技ゴルフ」の世界に挑戦するか、造られた自然ではあっても四季折々の空気や風を楽しみホールを旅する旅人になるか。
どちらであっても、(情熱が続く限り)楽しんで行くうちにスコアは少なくなり、ヒットする技術は上がって行き、より深くゴルフを楽しむようになることが出来る。

ただ、自分のようにある程度年を取ってしまうと、修行僧のようにゴルフに打ち込み、忍耐と我慢と克己心と不退転の決意と....真剣にコースと対峙し、一つでも少ないスコアを求める求道者のようなゴルフは、「もういいや」と思ってしまう。
自分は全然大した所まで行けなかったけど、そうして努力を重ねて高みへと上って行った人が、たどり着いた先に更に何層も遥か上迄そうした人達が連なっているのに気がつき、絶望している姿を見たことがある。
「上には上があり、きりがない」のだ。
ただ、プロを目指す人だけがそうした道を駆け上がって行く。

...しかし、そんな「スコア」の上に造られた「ゴルフの世界」の他に、古来ずっと続いて来た「コースを楽しむ」世界がある。
ゴルフは、18回の旅と同じ。
求めるのは「スコア」ではなく、その道程の「ホールごとの旅の楽しみ」。
そこに、調味料を加えるなら、ライバルでも友人でも、先輩でも後輩でも、ハンデをつけて楽しむフェアなマッチプレー
負けたら、せめてその日は尊敬を込めて勝者に敬語を使え。
大金なんか賭けてはいけない、ホールアウト後の一杯のビールかコーヒーでいい。
勝者は敗者のプレーを褒め、そのゴルフを認める。
敗者は、勿論勝者にそのショットを讃え、絶妙なパットに賛辞を贈れ。

そしてお互いに、次回の対戦まではその態度を変えてはいけない。

....スコアの事ばかり言わないで、そんなゴルフを楽しんでみない?


梅雨の合間のひととき、徒然なるままに思う、ゴルフ雑感です。