ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

町の復興案

イメージ 1

津波に流されて、壊滅的な被害を受けた東北の太平洋岸の市町村で、住んでいた人達が復興の声を上げ始めた。
このままじゃいられない、未来を自分たちが作る...と、何も無くなったところから立ち上がろうとする人達に頭が下がる思いだ。

でも、心配なのは、結局復興に当たっては、現実に金を出せる力を持ったものがてんでん勝手に、やりたいように新しく作り上げてしまうこと。
結局そういうことになると、全体的には何ともちぐはぐでバラバラな印象で、過去から伝わるものが途切れてしまった、どこかで見たような町になってしまうだろう。
現場に住んでいない部外者の、勝手で無責任な意見ではあるんだけれど、それぞれの町がそれぞれの伝統を生かしたまま、津波対策にも十分対応した、これから千年を暮らしていける美しい町に仕上げて行って欲しいものだと切に思う。

そんなことで無責任でいい加減な部外者からの、浅はかで愚かな意見だとは思うんだけど...こんな風な基本的な町再生の考え方はどうだろう、なんて思って大ラフを考えてみた。

まず一番の基本は、市民の住む家は基本的に30メートル以上の高台に作ること。
町の中心に、石垣30メートル以上の城を造ること。
この城は、緊急時の津波避難と避難所、物資貯蔵所を兼ねていて、少なくとも数千人が一時的に逃げ込める作りにする。
そこから等間隔で、やはり逃げ込める一の丸や、二の丸、三の丸を必要に応じて作る。
これはスケール的には、本丸より小さくて良い(石垣の高さは変わらず)。
城のデザインは、その土地の歴史に縁のある城な形を参考にするといいと思うが、それは住民の意思で決定する。

漁業関係の施設は港のどこかに集約し、後方の高台に造られた工場地帯との連絡用に直結専用道路を設置する。
城の周りは歴史的環境再生地区として、町並みの景観を統一してそれぞれの町の個性を出す。
平地は基本的に、観光とレジャー施設、ホテル・旅館などの区域とする。
もちろん住んでもいいが、住む場合は景観を乱さないような作りの家にしなければならない。
この平地の家に住んでいる場合は、津波が来れば流されるのを前提として、いざとなれば避難所の城に逃げ込むようにする。
海岸地帯は砂浜や磯などを観光資源として、津波対策を考えたホテルなどを設置する。

少し大きな町では、街全体を定額で一周するディーゼル路面電車を設置して、人が動きやすくする。
鉄道の駅があれば、その駅を中心にすべての道路を整備して、人や物資が動きやすいようにする。

...う~ん、いろいろと考えていたんだけれど、書き出すとなかなかアイデアが出て来ない。
でも、こんな馬鹿な意見を足がかりにしてでも、これから作り直す町が、後世迄美しく愛される町になってくれればいいなあ、と。

絶対に、資本主義に頭のてっぺん迄穢された人間達に、勝手に「近代的な」町づくりなんかして欲しくない。
今の日本中にある、そうした「色とりどり」で「それぞれ勝手に周りのことを考えず」に作り上げてしまった、「景観の醜い」町の姿を見て、反面教師にして欲しい...と思っている。