ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

飛球線に未練を残すな!

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「飛球線に未練を残すな!」...佐藤精一。

佐藤精一プロは1960年代から70年代にかけて、日本オープン・関東オープン・日本プロなどを制した、我孫子一門のプロゴルファー。
飛距離は出なくとも業師で知られ、そのプレーの速さから「早打ちマック」との異名を持つ。
80歳になる今はそのユニークなレッスンで知られているが...実はこの人は「名言製造機」。
彼がゴルフについて語るあらゆる言葉が、蘊蓄・名言となり、ゴルフに役に立たない言葉は無い。
とはいえ、最新の道具については当てはまらない部分もあったりはするのだが...

「飛球線に未練を残すな」の言葉には、「フォローは作るものではない、出来るものだ」という言葉が続く。
これには、佐藤精一プロが言う「スクエア」なスイングと言うのは、クラブはインから来てインに出て行くという事が前提になる。
つまり、飛球線方向に打とうとするあまり、フェースをなるべく長く飛球線方向に合わせていたい...よく言われている「インパクトゾーンを長くしたい」がために、フォローでフェースを飛球線方向にいつまでも未練がましく合わせておこうとする...これがダメだと言う。

この言葉に関係して、佐藤精一プロが語る蘊蓄に満ちた言葉の中に「大根切りでいいんだ」という言葉がある。
大根切り、つまりクラブを上から下に振り下ろす事。
スイングで大事なのは「上から下に振る」事...決して下から上に振り上げるものではない。
ところが初心者をはじめ、何時までたってもボールを上手く打てない人は、必ず下にあるボールを上に打ち上げようとしている...つまりクラブを下から上に振り上げる事に執着している。
大事なのは、上から下にクラブを振り下ろしてボールを打つ事。
フォローからフィニッシュは無理に高く上げる事は無い...上から下にクラブを振り下ろしてボールを打った結果、フォローは自然にできるし、クラブは飛球線に未練を残さない限りインサイドに入ってくる。

こんな風に佐藤プロに言われると、「なるほど」と思うだろう。
クラブは上から下に、飛球線に未練を残さず振り切る事。
フォローもフィニッシュも、作らなくても自然にできる形でいい。

ただ、今の最新のクラブは、下から上に振っても一応ボールは飛ぶようになっているから、かえって間違ったスイングでゴルフを覚えてしまう人が多いらしい。
ただ、上から振っても下から振っても同じようにボールが飛ぶクラブでは、下が平らな練習場では通用しても、一打ごとにライが変化するコースに出ると殆ど当たらなくなってしまう。
思い当たる人がいたら、上から振ったらちゃんとボールが飛び、下から振るとボールが飛ばないような古いタイプのクラブで自分のスイングを作った方がいい。

「飛球線に未練を残すな」...この言葉を実践するには、クラブと自分のスイングを信じる「勇気」と「思い切り」も必要だ。