ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

躊躇

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Cさんは、ゴルフを始めようか悩んでいる。

子供達にはそれほど手がかからなくなり、自分で使える時間が多くなって来て、ゴルフをやらないかという誘いが多くなったのだ。
夫は10年くらい前に会社の付き合いでゴルフを始め、今では安いコースの会員権をローンで買って、競技ゴルフとやらに熱中している。

Cさんが健康のために週3回通っている、スポーツジムのプール仲間からも「ゴルフも面白いからやってみない?」なんて誘われている。
夫もゴルフを始める事に賛成してくれて、近所のゴルフ練習場の「初心者用ゴルフ教室」なんてもののパンフレットを持って来てくれた。

自分に「興味があるか?」と聞かれれば、「大いに興味がある」と答える。
心配だったゴルフ道具も、ウェアも、練習場代も、ラウンドでかかるお金もピンからキリまでで、贅沢を言わなければ月に一回くらいラウンドして楽しむ事は十分出来ると判った。
しかし、Cさんはこの年までゴルフなんて自分とは全く縁がないものと思っていたから、なんだかスタートに踏み切れない。
...テレビの中で見た事がある、あの広い奇麗な緑の上で、広すぎる程の青空の下で、季節を感じながら白球と戯れるなんて、まるで夢のよう...でも、自分がその中に入っていいのか?
あんな小さなボールを、あんな遠くの小さなカップに入れるゲームなんて、自分に出来るのか?

夫や、ジムの仲間のゴルフの話は、いつも面白おかしく、笑いっぱなしの楽しそうなものなので、「やってみようか」、という気になるのだが...

心配なのはテレビのゴルフの試合などで、結構有名なプロなんだろうけれど、何とも面白くなさそうな顔でゴルフをする人がいる事。
面白くないどころか、ものすごく不貞腐れたような醜い表情を隠そうとしなかったり、何とも不快そうに見える表情でプレーする女子プロがいる事。
なんだか、そういう女子プロ達が思い切り嫌な表情を出してゴルフをしているのを見ると、自分がゴルフを始めても同じような顔でプレーするかもしれない気がして、始めようとする気が無くなって来るのだ。

勿論、ニコニコと楽しそうにプレーをしている女子プロを見ると、あんな風に楽しそうにプレー出来るなら...とは思うんだけど。
実は「嫌な顔をさらけ出している」女子プロのプレーの方が「本当のゴルフ」だ、なんて事だったら、絶対にゴルフなんか始めたくない。

なんだか曖昧にしている自分の「ゴルフ始め」。
「自分は本当に楽しめるんだろうか?」と、もう一年の間迷っている。