ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

知りたいのはホ-ル迄の距離だけ..

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「知りたいのはホール迄の距離だけだ。右や左に何があるのかは関係ない。」...アーノルド・パーマー
「Hit it Hard!」と「Go for it!」を合い言葉に、その攻撃ゴルフで一世を風靡したアーノルド・パーマーらしい言葉だ。

ある程度ゴルフをして来た人には、こんな経験があるはずだ。
本格的な「難しい」という評判のコースで、「初めてラウンドした時は結構いいスコアだったんだけど、何回もラウンドするごとにスコアが悪くなって来た。」なんて事。

これは、初めてそのコースに行った時には、見える範囲の情報だけでプレーする事しか出来ず、結果的にピンに対する集中力が増して、自分の実力の上限に近いものが出せたため。
これが回数を重ねるごとに、「ここにこんなハザードがあったんだ」とか、「ここでティーショットを右側に打ったら、次のショットは難しくなる」とか、「ここのグリーンは左に外したら、寄せるのが難しい」とか「このグリーンはここに乗せたら、パットが難しい」とか感じるようになる。
こうして、ラウンドするごとに「~したらダメ」「~すると難しい」なんて「マイナス情報」が積み重なってしまうと、その情報が自分のスイングにプレッシャーを与える事になる。
打つ前に「あそこはダメ」とか「ここはダメ」なんて考えると、腕は縮み、上半身と下半身のバランスは崩れ、無駄にグリップに力が入り...ゴルフの「呪い」の法則通り「行って欲しくない方向ばかりにボールが行く」事になってしまう。

情報は知っていて良い事もあるけれど、知らない方が良い事も多い。
ある程度練習などで「ボールがつかまっている」状態だと思ったなら、いっそ余計な危険情報など聞かずに、「ピンだけ」に集中した情報の方がショットが安定する可能性が高い。
ハザードなどの情報によって引き起こされる「恐れ」や「不安」は、アーノルド・パーマーのようなスーパープロフェッショナルゴルファーにとってさえ、好ましいものではないというのだから。

我々のゴルフだって、そのショットの前に「親切」なキャディーさんによる「事細かな、見えない難しいハザードの情報」なんかを聞いてしまった後では、大体説明通りのハザードの犠牲になってしまうことが多い。
「だから、言ったのに」じゃなくて「わざわざ言われたからだ」なんて、ついキャディーに文句を言いたくなるような...

ショットが不安でほとんど自信がない、なんていう人はキャディーさんの言うハザードは徹底的に避けて、安全なルートを行くのが良いだろう。
だが、その日「当たっている」と感じていたなら、キャディーさんからの情報は「ピン迄の距離」だけにして、他の事は言わないでもらった方が良いだろう。

ただし、ミスヒットして聞かなかったハザードに入ってしまったとしても、完全に自己責任という事で決して言わなかったキャディーさんのせいにはしない事。
自分のその日の状態で、キャディーさんにはあらかじめそう言っておいた方が良いかもしれない。

「ピン迄の距離だけ」か「あらゆるコース情報」か。
「Go for it!」か「逃げまくる」か。

どっちも、恥ずかしい事なんてない。
真剣にプレーすれば、どっちにしたってゴルフは面白いんだから。