ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

クラシックパーシモンを手に入れる

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11月に「パーシモンマスターズ」という、「ミンナデパーシモンデアソビマセウ」なんて催しがある。

自分でも年に何回かは、パーシモンヘッドのドライバーを引っ張り出して来て打ったりはするものの、コースで使うまでにはなかなかいかない。
その一番の問題はやはりボール。
飛ばない、傷がつきやすい、曲がる、すぐに性能が劣化する、暑さ寒さで性能が落ちる、変芯しやすい、品質にばらつきがある...等々の理由で2ピース、3ピースに完全にとって替わられた「糸巻きボール」が手に入らないのだ。
柔らかいと言われるソフトツーピースでさえ、あの糸巻きボールに比べるとパーシモンのヘッドに与える衝撃はかなり大きいと聞く。
特に昔のペーパーファイバーのインサートのクラブではすぐにインサートが痛んでしまうし、インサートを外して打ってしまうと、インサートとパーシモンの間に段差や隙間が出来てしまうとも言われた。
だから、自分が使っていたのはカーボンインサートのパーシモンドライバーだったんだけど。

20年くらい前、当時の一般ゴルファーの憧れのドライバーは、トミー・アーマーの693や945、M85などのマグレガーの『名器』と言われたパーシモンだった。
1950年前後に作られ、当時のスーパースター達が使い、その飛びと美しさで一世を風靡した。

20年前の頃は、当時全盛の尾崎将司が使ったりで評判になったが、良い状態のものはいずれも当時の金額で20万から40万していて、とても普通のゴルファーに手が届くものではなかった。
...その頃、自分でも月例などで693なんかを使っていたコレクターに聞いた話がある。
クラシックパーシモンのいい状態のものは少ないので、その見分け方があると言う。

手に入りやすい値段で出てくるものは、「偽物」「復刻版」「リペアもの」「傷物」が多いので気をつけろと。
「偽物」は作られた当初から人気があったものなので、当時から結構数が出ているらしいと言う。
これは、ソールのプレートの文字などが微妙に違うらしい。
「復刻版」は人気のあったクラブなので、後にマグレガーで693モデルとか、945モデルとして再発売したもの...偽物ではない。
「リペアもの」は、今安値で出ているものに多い。
かなり酷い状態のものでも、パーシモンは結構奇麗にリペア出来るんだと言う。
見た目は「ミント」の状態に見えるくらいに奇麗になるんだそうだ。
その代わりに、パーシモンの痛んだ部分を削って奇麗にするために、始めに作られた状態よりも「小さく」なる...見かけでは判らないくらいだが、全体の形を崩さずに削るので本来の性能が発揮出来るのかどうか...重心位置や手応えも変わってしまうような気がするが。
「傷物」は実用出来ない「リペアもの」ともいえる。
中までひびの入ったものや、割れたものを見た目で判らなくなるくらいにくっつけて奇麗にしてしまうらしい。
その代わりに「実用の保証は出来ません」とか「観賞用」とかことわると言う。

勿論、今頃自分でパーシモンを買う人は、「打ってみたい」という気持ちのある人が多いんだろうからこれを注意した方がいい。
品質を見るのに一番判りやすいのが、ソールのプレートだと言う。
この金属は削ったら奇麗になるというものじゃないので、そのクラブの使われて来た歴史が判る。
酷いダッファーに使わて来たクラブは、ソールの文字が見えないくらいにすり減っているし、スイング軌道に沿ってついた傷も残っているから、ある程度そのクラブの履歴が判る。
勿論いいものはソールの文字がすり減っていないもの(刻印が深いもの)。
あとは、インサートとパーシモンの隙間や段差...隙間を樹脂で埋めているものや、インサートまで削って奇麗にしているものはインサートの厚さが薄かったり厚さが均一でなかったり。
木目や渋については、アメリカの方が日本より気にしなかったと言われている。

これからパーシモンを使ってみたいなら、2番ウッドの出物が一番いいものが残っているので、それを使ってみるといいらしい...逆にダメなのが3番ウッド。
ミスして地面に破壊されたものが殆どだとか...
ドライバーでは私のもののような「有名ブランドものの、裏バージョン」(つまりトミー・アーマーの693Tが超人気品なので、その同じ作りの同時代の別プロバージョン)がいい...ものは同じで名前が違うだけ、と思って手に入れたんだけど。
..実際、どうなんだろ(笑)?

これからパーシモンをお探しの方に参考になれば、と。