ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

あれから...今日で49年

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今から思えば、彼女の家の事情があったにしても、あんなに早く俺が結婚するなんて...不思議な話だった、としみじみ思う。

モテた経験も無かったし、何の教育も受けずに二十歳になって絵で生きて行こうだなんて...無謀・出鱈目・行き当たりばったりの、自滅行為の人生でしか無かったのに。
酷い言いがかりで消えたはずの彼女との縁が、急展開でそんなに早い結婚になって、それで人生が激変しちまった。

しかし、その後の今までの人生を顧みると、俺みたいなやつは彼女みたいな女性と早く結婚して、自分のためだけではない人生を生きていく形でないと...どう転んでもろくな人生になってはいなかった気がする。
そのために我慢も覚えたし、頭を下げることも平気になったし、嫌な仕事や嫌いな仕事も続けられるようになった。


何度か書いているが、昔、暗い山道を走っていて一軒のドライブインを通り過ぎた時に出会った「違う生き方を選んだ自分」の幻が、ずっと遠くから今の俺を見つめているのを感じる。
そのもう一人の自分である「奴」が、「良かったな、お前の選んだ道は正解だ」と言っているのが聞こえる。

若い頃からずっとある、いつか冷たいダンボールハウスの中で行き倒れる自分の
イメージは、うちの奥さんの明るい声で消えて行く。

 

彼女との結婚式の時に感じた、「貧乏のままでも、もう俺の人生に負けは無いな」なんて気持ちは....今もやっぱり感じている。

 

どうも49年間、ありがとね。
こんな人生は、あんたのおかげに間違い無い。