ケ・セラ・セラと生きて、セ・ラビと酒を飲み(イラストレーター渡辺隆司のブログ)

なるようにしかならないけど、それが人生...せめて酒に唄って行きますか

散る桜..

f:id:ootataki02:20210403140334j:plain

去年と同じように早く咲き始めた桜は、今年は4月になる前にもう散り始めている。
去年は桜が咲いてから何回か雨や冷え込みがあって、4月になってからも満開が続いていたけれど、今年の桜は入学式前にみんな散ってしまいそうだ。


俺は桜は「散っていく頃」が一番好きだ。
いつの頃からか、さっと風に流れて景色を隠した桜の吹雪の向こうには、この世ならざる不思議な世界が見えると信じるようになった。
自分が会いたい人々...ずっと以前に亡くなった人や別れた人が、そこで穏やかに笑っている...そんな気がするのだ。

自分に向かって不意に吹く一陣の突風に、花びらが俺の周りを渦を巻いて通り過ぎる。
一瞬...今の時間がかき消されて、そこに...なんてね。


春たけなわ、なんて本来なら希望に満ちてるはずの季節も、最近数十年は「花粉」に吹き飛ばされて、おまけに去年からは武漢肺炎にぶち壊されて、ただただ「我慢して耐え抜く時間」になってしまった。

で、気分を変えたい。
俺は文学的素養なんて無いけれど、桜吹雪に桜の花を読んだ有名な俳人の句がいくつも頭に浮かぶ。
そんな俗物の俺の好きな句を少々(甘いっちゃ甘い奴・笑)

さくらさくらさくさくらちるさくら  (山頭火

散る桜 残る桜も散る桜   (良寛

さまざまの こと思い出す桜かな   (芭蕉

桜花 何が不足で ちりいそぐ   (一茶)
夕ざくら けふも昔になりにけり  (一茶)

夜桜や 人鎮まりて 雨の音   (子規)

散ればこそ いとど桜は めでたけれ 浮き世になにか 久しかるべき
                             (不明)

ちる花は かずかぎりなし ことごとく 光をひきて 谷にゆくかも
                          (上田三四)


あ〜あ...改めて書こうとすると、好きで覚えていた句がほとんど思い出せない。
桜吹雪に記憶力をみんな持って行かれちまったのかもなあ...